そして残念ながら、お酒を飲むという行動は、有酸素運動にとっては大敵中の大敵であり、交通標語をもじって言えば「飲むなら走るな、走るなら飲むな」というのが大前提となります。

通常、体を動かすためのエネルギーとしてはまず糖質が利用されますが、体内の糖質だけでは足りないと体が判断すると、脂肪の利用が本格的に始まります。脂肪の燃焼を目的とした有酸素運動では、ある程度の時間継続しないと意味がないといわれるのは、こうしたメカニズムが大きな理由です(近年では、運動直後から脂肪燃焼が始まるという説も出てきています)。
有酸素運動を行うと、当然ながら心拍数が大きく上がり、内臓にも平静時にはない負担がかかります。この状態で、アルコールという心臓にも内臓にも負担をかける物質がさらに体内に存在するとなれば、カラダが受けるストレスは想像以上に過大なものとなります。
もちろん、二日酔いの場合などもアルコールが分解しきれていない状態ですから、そこで有酸素運動をするというのは、健康維持という面で確実にマイナスでしょう。自分の感覚では完全にアルコールが抜けているという場合であっても、体の中を見ればアルコールの分解のために疲れ切っているというケースも少なくありません。
有酸素運動は、一見軽く見えてもカラダにはやはり大きな負担をかける運動です。お酒を飲んで行うことはもちろん、アルコール摂取によるダメージが少しでも体に残っているようなら、無理せず回避するほうが賢明といえるでしょう。