ずっと禁酒するのはやっぱり簡単ではありません。平日禁酒は「週末になれば飲める」というご褒美を頼りとして、せめて平日は禁酒しようというものですが、個人的には、この手法と効果には少し「?」という感じがしています。

では、なぜ平日禁酒という考え方に疑問符を付けているかというと、まず「平日は5日間もある」からです。カラダを壊しているとか、ドクターストップがかかっているという状況でもない限り、本当にお酒が飲みたいときには、そんなに我慢せずに飲んだほうがストレスが溜まりません。
もし無理やり我慢していても、本当に飲みたくて飲みたくて仕方がないときには、結局、何らかの理由を付けて飲んでしまうのが人間です。であれば、本当に飲みたいときは飲むと決めておいて、「今日は飲みたいから飲もう」と、あっさり飲んでしまったほうが精神衛生上はプラスに働くことでしょう。
この「無理やり我慢しない」という話は、後日きっちりまとめたいと思いますが、そもそも何日間は飲まない、○日までは禁酒する、あるいは○日から禁酒するというやり方は、個人的にはあまりお勧めできる方法だとは思いません。
禁酒しようと思えば、今日飲まなければいいだけで、自ら好んで明日以降の禁酒のことを考えてツライ思いをする必要はないのです。「○日から禁酒する」と決めるのも、その意味ではやはりムダが大きいでしょう。カウントダウンの段階から嫌な思いをするだけですし、禁酒を思い立ったその日が、禁酒に対するモチベーションは一番高いはずですから。
平日禁酒は「平日だけ禁酒すればよい」わけで、一見ラクに見えますが、実は5日間も禁酒を続けなければならないというストレスを抱えることになります。このストレスに耐え続けるのは、(お酒が大好きな人なら分かると思いますが)本当にキツイことです。
もうひとつ、平日禁酒が危ういと思う理由は、「酒を飲みたくなるような出来事は平日のほうが多い」からです。嫌なことがあったから飲むとか、精神的にも肉体的にもクタクタだから飲むというのは、お酒を飲む理由としては(その是非はさておき)まあ一般的だと思います。
こういうお酒を飲む理由が発生するケースは、やっぱり平日のほうが圧倒的に多いでしょう。ストレス解消のためにお酒を飲んでいる人の場合、よくよく考えると休日のほうが飲む理由が圧倒的に少ないことに気がつくかもしれません。もちろん、接待や仕事帰りの一杯という誘いも、通常は平日に集中しているものです。
こう考えると、平日禁酒を掲げるのであれば、むしろ休日禁酒を掲げたほうが失敗する確率はグンと減るのではないでしょうか。そもそも、あらかじめ禁酒日を決める方法がベストだとは思いませんが、すくなくとも「平日禁酒」は、実は失敗する要素をたくさん抱えている、けっこう不安な手法なのです。